安倍首相の訪中に秘められた明確な戦略

 安倍晋三首相は平成24年12月の首相再登板以降の約6年間で延べ149カ国・地域を訪れたが、中国に2国間の枠組みで赴くのは今回が初めてだ。当初は首脳会談も拒否していた中国が、米国による圧力が通商から人権、安全保障面へと広がる中で手のひらを返すように日本への接近を図ってきたタイミングでの訪問となった。なぜ首相は中国のアプローチに応じたのか。そこには明確な狙いがある。(北京 原川貴郎)

 「日中両国の関係は今まさに新たな段階へと移りつつある。李克強首相とともに関係を大きく前進させていきたい」

 安倍首相は26日午前、北京市の人民大会堂での会談後、共同発表で李氏との連携を強調した。

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