製薬各社、医療関係者向け贈り物禁止へ 香典や販促品

 近年、製薬業界では公正な競争のための規制が強化され、MR(医薬情報担当者=営業職)による医療機関の接待が禁止されている。中元や歳暮を社内規定で禁止している企業も多い。

 今回の改定で営業の現場では「透明性が確保され、競争がより公正になる」と歓迎する声がある。一方で、「人と人のつながりのために必要な社会儀礼。日本の文化を否定された気分」「IFPMAに加盟していない企業との差がつく」と国際基準の介入に困惑する声も多い。また、社名の入った販促品について「在庫が多く困っている。団体への寄付などを考えている」と対応を急ぐ企業も出てきた。

 製薬協では長年、IFPMAに対し、国独特の文化であると主張してきた経緯があるが、欧米の基準に合わせて一切禁止となった。製薬協の田中徳雄常務理事は「加盟各社には新しい規定を理解して、対応してほしいと周知徹底していく」としている。(安田奈緒美)

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