プロレス団体WWEのサウジ公演「中止を」 米上院議員ら

 【ワシントン=黒瀬悦成】サウジアラビアの反体制記者ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ領事館で殺害された事件に関連し、世界最大のプロレス団体WWE(本社・米東部コネティカット州)が11月2日にサウジ国内で開催を予定している公演を中止するよう超党派の米上院議員が訴えている。

 WWEは、トランプ政権のc中小企業庁長官が過去に会長を務めており、団体が公演を強行すれば政権も批判を浴びる恐れがある。

 「王冠の宝石」と題された公演は、殺害事件への関与が指摘されるサウジアラビアのムハンマド皇太子が主導する経済改革「サウジ・ビジョン2030」の目玉イベントの一つとして、サウジ政府の肝いりで大々的に開催される。

 しかし、コネティカット州選出のマーフィー上院議員(民主党)はネットメディアに「WWEがサウジとの関係を見直すことを希望する」と表明。共和党重鎮のグラム上院議員も「WWEはサウジとのあらゆる商取引を停止すべきだ」と主張した。

 しかし、米誌「レスリング・オブザーバー」の大物記者、デーブ・メルツァー氏が23日、自身のラジオ番組で語ったところでは、WWEはサウジ政府と10年単位の契約を結んでいる上、今回の公演で数千万ドル(数十億円)の公演料を受け取る見通し。仮に公演を中止すれば団体の経営に深刻な打撃を与えるため、リンダ氏の夫のビンス・マクマホン会長は「開催を強く主張している」という。

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