駅伝負傷選手はいずりに賛否…監督棄権も伝わらず どうすればよかったのか?

 だが、選手は強い続行の意思を示したため、担当者は再度、監督に確認作業を行った。監督の棄権の意向は変わらなかったが、現場との連絡に時間を取られている間に中継所まで約15メートルの地点まで迫っていたため見送ったという。

 日本陸上競技連盟駅伝競走規準では、審判らが危険と判断した場合などは、強制的に選手を棄権にさせることもできる。ただ、選手に声をかけた審判の一人は「本人の『絶対に行く』という思いが明確で、止めるのを躊躇(ちゅうちょ)してしまった」と話している。

 判断は妥当だったのか。日本陸連の河野匡長距離・マラソン・ディレクターは「駅伝はたすきをつながなければ終わり。選手や監督、審判の思いなど複雑な要素がからむので一概に止める方がいい、よくないとはいえない」と指摘する。

 一方、スポーツ評論家の玉木正之氏は「『あと少しだったから続けさせた』というのは審判の越権行為ではないか。今回の事態をきっかけにして審判が棄権にできる基準を作っていくべきだ」と訴える。

 主催者の日本実業団陸上競技連合、鎌倉光男事務局長は「意識がないなど明確に続行不可能な場合は審判の権限で止めることができるが、今回のような場合は難しい」と吐露。「今後のあり方を協議していきたい」としている。

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