世界文化賞30年 高階秀爾さん、安藤忠雄さんら選考委員が意義語る

世界文化賞30年 高階秀爾さん、安藤忠雄さんら選考委員が意義語る
世界文化賞30年 高階秀爾さん、安藤忠雄さんら選考委員が意義語る
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 世界的に優れた芸術家たちを顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)は平成の幕開けとともに歩み続け今年で30回目の節目を迎えた。23日の授賞式を前に選考委員たちに賞の意義などを聞いた。(竹中文)

 ■文化の多様性を認め合う 絵画部門/彫刻部門選考委員長・高階秀爾さん

 それぞれの地域の伝統や歴史と結びつく世界各国の文化を認め合い、多様性を伝えるのが世界文化賞の大きな意義だと思います。

 世界文化賞の創設が発表された30年前は、仏の前衛的な芸術家の友人から「この賞では日本の良いものを広めようとしているのか」と問われました。その頃は賞の趣旨を誤解した人も少なくなかったのですが、その後、実際の取り組みを通じて世界各国の芸術や文化の多様性を顕彰するという本来の目的への理解が広まっていきました。

 30回を振り返ると、絵画部門では第24回に中国の蔡國強(さい・こっきょう)さん(60)、彫刻部門では第29回にガーナのエル・アナツイさん(74)が受賞するなどアジアやアフリカの芸術家も選ばれるようになりました。多様性を広げられたのは大きな成果です。「高松宮殿下記念」と銘打って、皇室が日本の美意識を広める役割を果たしてきた意義も大きいといえます。

 今後の課題は、全5部門に入らないような芸術に対する評価の仕方です。日本の服飾デザイナーの三宅一生さん(80)が第17回の彫刻部門で受賞しましたが、その前には、議論を重ねました。三宅さんの受賞によって、ファッションは世界文化賞の対象になったのです。

 5部門という枠は今も堅持していますが、大分、自由に解釈できるようになってきました。人気が高まっているアニメ分野もありますし、今後も5部門から、はみ出すケースは出てくるでしょう。さらに柔軟な解釈が求められる時代になると思っています。(談)