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宝塚歌劇団星組の人気男役スター、瀬央(せお)ゆりあ主演「デビュタント」(作・演出、正塚晴彦氏)が兵庫・宝塚バウホールで上演中だ。入団10年目。満を持しての単独初主演に、瀬央は「研究科(入団)10年、男役10年の節目に、恵まれているな、と思う」とほほ笑む。22日まで。(橋本奈実)
端正な顔立ちに、笑顔が弾ける。単独主演の吉報を受け、「一番に思ったのは、きっとファンの皆さんが喜んでくださるだろうなと。自分でも素直にうれしかったです」と振り返る。
9月8日に千秋楽を迎えたバウホール公演「New Wave!-星-」で主軸の役割を担ったばかり。千秋楽後、1日だけ休み、すぐ今作の稽古が始まった。「まるで休演日のような感覚(笑)。でも私は寝れば、どうにかなるタイプなので。(休みは)ほぼ1日中寝て、翌日から稽古に入りました」
舞台は社交界デビューの場となる舞踏会、デビュタント・ボール。伯爵令嬢のエスコートを頼まれた青年イヴ(瀬央)がさまざまな人々と出会い、自身の生き方を問い直していく。オリジナルの青春群像劇だ。
演出の正塚氏は、出演者全員に「作り過ぎず、演じようとしないで。せりふ自体に力があるのだから、それをどう言おうではなく、観客にきちんとせりふを伝えることを最も意識するように」と指導したという。
「初心に帰って、ちゃんと会話をする、お芝居をすることが楽しい。肩に力が入らぬ自然な男役像も新鮮で。こういう魅せ方もあると日々、学びました」
イヴは打たれ強い性格で、落ち込めど、心は折れない。「私も寝たら忘れる都合のいい脳みそで(笑)。立ち直れないほど、へこむことはない。心のスタミナは似ているのかなと」