英国の無秩序EU離脱回避の最終期限はクリスマス 合意でも厳しい英側日程 

 【ブリュッセル=宮下日出男、ロンドン=岡部伸】欧州連合(EU)首脳会議は17日、英国の離脱条件をめぐる合意を見送った。双方は交渉努力を続ける意向だが、アイルランドの国境問題はなお最大の難問。EUは合意のない無秩序離脱を回避する「最終期限」を12月とみなし、合意がぎりぎりまでずれ込む見方も強まってきた。

 「数週間から数カ月の問題。大きな目標は年内に合意することだ」。17日の会議開幕前、議長国オーストリアのクルツ首相はこう語り、英国との離脱協定などの合意は、次回の定例首脳会議が予定されている12月になる可能性を示した。

 EUは今回、事前に事務レベルで合意し、首脳会議が確認。双方の将来関係の大枠を示す「政治宣言」の草案も含め協議し、11月の臨時首脳会議で正式合意する段取りを描いた。だが、アイルランド問題は「想像以上に複雑」(トゥスクEU大統領)だった。

 来年3月末の離脱までは半年を切った。オランダのルッテ首相によると、EUのバルニエ首席交渉官は17日の協議で、英国とEUともに協定締結に必要な批准の時間を確保するには「クリスマス」が最終的な期限になるとの見方を示す。EU高官はこの場合、EU以上に英側の「日程が厳しくなる」とみる。

 英国は国内法で来年1月21日までにEU離脱方針の同意を議会から得ることを定めており、時間にゆとりはない。さらにかろうじて議会過半数を維持しているメイ英首相は政権内のとりまとめに苦しんでおり、議会の同意が得られるか不透明感が拭えない状況だ。

 政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)はアイルランド問題をめぐる合意の内容次第では「不信任決議案に賛成する」とすでにメイ氏を牽(けん)制(せい)。協定の承認に反対する可能性がある。メイ氏が率いる与党の保守党でも離脱強硬派が造反することが懸念されている。

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