北海道・中国の景気判断下方修正 日銀さくらリポート、天災を考慮

北海道地震で、列をつくりスマホや携帯電話を充電する人たち=9月7日、札幌市中央区(宮崎瑞穂撮影)
北海道地震で、列をつくりスマホや携帯電話を充電する人たち=9月7日、札幌市中央区(宮崎瑞穂撮影)

 日本銀行は18日、10月の地域経済報告(さくらリポート)を公表し、最大震度7の地震被害を受けた北海道と、西日本豪雨の影響が残った中国で景気判断を下方修正した。2地域で一度に引き下げるのは平成28年7月以来、2年3カ月ぶり。台風21号が直撃した近畿は影響が限定的だったとして、残りの6地域と同様に景気判断を据え置いた。

 北海道では全域停電の影響で幅広い業種で生産水準が低下し、個人消費では不要不急の支出を控える動きがあった。また、観光施設では風評被害による客数の大幅減がみられ、企業からは「インバウンド(外国人客)の予約が大幅に減少し戻りは鈍い」(札幌、宿泊)と悲鳴が上がった。

 項目別でみると、住宅投資では関東甲信越、東海、近畿の3地域で判断が引き上げられた。都市部などでマンション需要が根強いほか、東海では人手不足対策で社員の福利厚生のため社宅を整備する動きがあった。

 一方、貿易摩擦への警戒感も強まり、企業から「米国による自動車・部品への追加関税が課された場合、事業縮小や生産体制の見直しを行わなければならない」(前橋、電気機械)など懸念の声が相次いだ。

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