KYBの免震・制振装置の検査データ改竄(かいざん)問題で、該当する子会社製品が大阪府庁で使用されていることについて、松井一郎知事は17日、不良品だとして交換や補償を求める考えを示した。府庁で記者団に明らかにした。
府庁舎整備課によると、平成25~28年に行われた府庁本館の耐震工事で設置した免震装置233基のうち、12基のオイルダンパーがデータ改竄されたものだった。
松井知事は「震度6強や震度7で建物が崩壊する状況ではなく、揺れが収まるのに少し時間がかかると聞いている」として、府庁の耐震性能に大きな影響はないとする一方、「不良品というか、注文したものと違うものが納められており、補償してもらわないとだめだ。正規品に替えてほしいし、改修工事について説明を受けたい」と語った。
免震製品をめぐっては、過去に東洋ゴム工業でも性能データの不正が発覚。改竄が後を絶たないことについて、松井知事は「企業のモラル低下だ。利益最優先で、改竄してしまおうという雰囲気があるのが非常に怖い」と述べた。