浪速風

地面師には昭和のにおいが…またぞろ五輪景気に引き寄せられて

【浪速風】地面師には昭和のにおいが…またぞろ五輪景気に引き寄せられて(10月17日)
【浪速風】地面師には昭和のにおいが…またぞろ五輪景気に引き寄せられて(10月17日)
その他の写真を見る (1/4枚)

ルポライターの草分けでトップ屋と呼ばれた梶山季之(としゆき)さんは高度経済成長期、人間の欲望が渦巻く社会派小説を数多く書いた。「のるかそるか」では、昭和39(1964)年の東京五輪を控えて、地価高騰を千載一遇のチャンスとうごめく「地面師(じめんし)」が主人公だった。

▶地面師とは「自分に所有権のない土地を勝手に売り飛ばす詐欺師」(広辞苑)。住宅大手の積水ハウスが土地取引に絡み約55億円をだまし取られた事件で、地面師グループ8人が逮捕された。巧妙に役割分担し、土地所有者の女性になりすますためのパスポートや印鑑証明など精巧な偽造書類も用意していた。

▶どこか昭和を感じさせる。手づくり感とも、アナログ的といってもいい犯行だ。バブル崩壊とともに姿を消したと思われた地面師が再び登場したのは、再来年の東京五輪・パラリンピックで都内の土地が値上がりしているからだろう。いつの時代も犯罪者はカネのにおいに引き寄せられる。