津波対策先送り、東電元会長ら何語る? 公判大詰め

津波対策先送り、東電元会長ら何語る? 公判大詰め
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 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3被告の公判は、16日に東京地裁で被告人質問が始まり、大詰めを迎える。巨大津波を予見し、事故を防ぐことができたかどうかが最大の争点で、3被告は無罪を主張。これまでの公判で社員や専門家ら21人が証言したが、見解は割れている。巨大津波対策が「先送り」となった経緯について、3被告それぞれの受け止めや、意思決定過程が焦点となりそうだ。(加藤園子)

「先送り」是非

 「津波対策が保留になり、力が抜けた」。津波高の試算を子会社に依頼した東電の土木調査グループに所属していた社員は公判で、元副社長の武藤栄被告(68)が、対策を「先送り」とする方針を示した平成20年7月の会議を振り返り、こう語った。

 政府の専門機関は14年、「津波地震が福島沖を含む日本海溝沿いで発生しうる」との「長期評価」を公表。子会社は20年3月、長期評価を前提にすれば、最大15.7メートルの津波が福島第1原発を襲うとする試算を示した。21年6月には原子力安全・保安院(当時)が求める地震津波対策の再評価の期限が控えていた。

 社員の証言などによると、グループ内では長期評価を「試算に取り入れるべきだ」との認識で一致。関係部署と会議を開き、海抜20メートルの防潮堤を設置するなどの対策を検討していた。

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