政府は12日午前の閣議で、天皇陛下の譲位と皇太子さまの新天皇即位に伴う一連の式典を円滑に進めるための「皇位継承式典委員会」の設置を閣議決定した。安倍晋三首相が委員長を務め、各式典の会場や参列者の範囲など具体的な概要を順次作成する。
首相は閣議後に開かれた式典委の初会合で、秋篠宮さまが皇位継承順位1位の「皇嗣(こうし)」となられることを示す「立皇嗣(りっこうし)の礼」を再来年4月19日に行うと発表した。来年に限り、皇太子さまが即位される5月1日と皇太子さまの即位を国内外に示す「即位礼正殿の儀」(即位の礼)が開かれる10月22日を祝日とする方向で検討する考えも示した。
首相は、祝日に挟まれる来年4月30日と5月2日も休日扱いとする方向で調整する方針も明らかにした。実現すれば前後で10連休となる。首相は「天皇陛下のご退位(譲位)と皇太子殿下のご即位が国民の祝福の中で、つつがなく行われるよう、政府を挙げて取り組んでいく」と述べた。
式典委は首相のほか、官房長官と3人の官房副長官、内閣法制局長官、宮内庁長官、内閣府事務次官で構成する。また、官房長官を本部長とする「式典実施連絡本部」を発足させ、会場警備や外国賓客の接遇などを担当する各省庁間の連絡体制を整える。
政府は4月、一連の式典の大枠を定めた基本方針を閣議決定した。式典委はこれに基づき、平成の代替わりの経験を踏まえ、皇室の伝統や憲法との整合性に配慮しながら、現代にふさわしい式典の実現を目指す。