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オペラやミュージカル、また舞台女優としても活躍するソプラノ歌手の辰巳真理恵(たつみ・まりえ)が初めての音楽アルバム「Ba,Be,Bi,Bo,Bu(バ・べ・ビ・ボ・ブュ)」を出した。掉尾(とうび)を飾る楽曲「ありがとう」は、父で俳優の琢郎(たくろう)(60)に贈った。実は、父のことは「大嫌いだった」という…。
お父さんキモい
切れ長の目。通った鼻筋。端正な顔立ちは、まさしく父親譲りだ。が、中学生から高校生時代にかけては、父親のことが嫌いだった。
「『お父さん、きたない』とか『キモい』などと言ってしまうこともあった。同じような顔立ちだと、父の良くないところまで似てしまうような気がして、『反面教師にする』などと言ったこともありました」
反抗期だったし、父親が俳優であるため学校で目立ちすぎることは思春期の少女には重荷だった。
だが、次第に父の背中を追うようになった。父親が出演したミュージカル「キャンディード」(宮本亜門演出)に感銘を受けたのも高校時代だった。もっとも、このときは共演の俳優、中川晃教(あきのり)に憧れたというのが正直なところ。同時に、芸の道を志すきっかけになった。
芸能界の厳しさをよく知る父親は、芸能界入りを反対したが、最後は「歌の基礎をきちんと勉強するなら」と条件付きで認めた。
一念発起した真理恵は猛勉強して、東京音楽大(声楽専攻)に合格。同大学院修士課程を修了し、プロのオペラ歌手を養成する機関「二期会オペラ研修所」、さらにオペラの本場、イタリアに渡ってレッスンを受けた。