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ゆうゆうLife

家族がいてもいなくても(564)2週間後「わが家」の風情

 那須へ帰る途上、新幹線に乗った途端に胸がどきどきし始めた。

 なにしろ、2週間も駅前の駐車場に車を放置したままだったのだ。

 車がどうなっているか、不審車とみなされてレッカー車で持ち去られているとか、運転手が行方不明とされ、捜索が開始されているとか。まさか、まさか、そんなことはないでしょうねえ、と。

 言ってみれば、それが気がかりで、東京の家族に「いったん、帰る」と言い置いて、那須に戻ってきてしまったが、結果、すべて世はこともなしだった。

 私の車は駐車場で霧雨にぬれ、ぽつねんと止まっていた。思わず「よくぞ、ご無事で」と駆け寄ってしまった。

 それにしても、1泊500円の駐車料金。2週間止めっぱなしでも、駅と家との1往復分のタクシー料金とさして変わらない。

 長年、都会で暮らしてきた者には、考えられない素晴らしさだ。

 ただし、駐車料金には五千円札も一万円札も使えず、千円札を1枚ずつ辛抱強く入れて、ようやく出口の踏切が通過可能に。こんな小さいことでも、体験しなければ何事もスムーズにはいかない。私としては今回の不在をクリアできて、なんだか移住者として一人前に近づいた気がした。