【ソウル=桜井紀雄】韓国と北朝鮮は5日、2007年に当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記が署名した南北首脳宣言の11周年を記念した式典を平壌で開いた。今年4月や9月の首脳会談で発表した新たな宣言は07年の宣言の「輝かしい継承だ」と強調し、新たな宣言の徹底履行を訴える共同アピール文を採択した。
式典には、韓国側から趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相や与党「共に民主党」の李海●(=王へんに賛の夫がそれぞれ先)(イ・ヘチャン)代表ら約160人が参加。金永南(ヨンナム)最高人民会議常任委員長ら北朝鮮側と合わせ約3千人が出席した。李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員長は、南北の鉄道・道路連結の着工式の早期開催に加え、開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光中断の解決を挙げ、宣言の履行を訴えた。
アピール文は「わが民族の運命は自らが決定する」ことも強調。北朝鮮側には式典を通じ、制裁にとらわれない経済協力推進を韓国に促す思惑がうかがえる。