検査院「商工中金はガバナンス欠如」 国は聞き取りせず「危機」認定

 商工中金の不正融資問題で、中小企業対象の公的制度「危機対応融資」が適用される「危機」の認定を国が行う際、貸し付け状況などを民間の金融機関に照会していなかったことが4日、会計検査院の調べで分かった。検査院は「ガバナンス(企業統治)が欠如していた」と指摘している。

 不正の温床になった危機対応融資は、災害や景気低迷に苦しむ中小企業に設備投資の資金などを低利で貸す制度。利子の補給や滞った返済の損失補償に国の予算を充てる。

 新宿などの支店で不正事案が発覚。商工中金の第三者委員会の調査報告書でも指摘され、商工中金は今年5月、危機対応融資を大幅に縮小する業務改善計画を経済産業省などに提出した。

 また、検査院は、政府が出資した危機対応準備金1500億円のうち150億円は国庫に納付することが可能と指摘。商工中金は今年6月、同額を国庫に返納することを株主総会に付議し、可決された。

 商工中金は産経新聞の取材に「検査院の指摘を真摯(しんし)に受け止め、コンプライアンス(法令順守)最優先を実現、定着するように努力したい」としている。

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