東京電力福島第1原発3号機の燃料貯蔵プールから燃料を取り出す設備にトラブルが相次いでいる問題で、原子力規制委員会は3日の定例会合で、原因究明を東電の報告だけに頼らず、設備を納入した東芝から直接事情を聴く方針を決めた。規制委が月に1回程度開いている廃炉作業の検討会に東芝の担当者の出席を求める。規制委によると、検討会にメーカーが呼ばれるのは初めて。
東電は11月の取り出し開始を予定していたが、燃料を遠隔操作で取り出す設備の試運転を始めた今年3月以降、電圧設定のミスでクレーンが止まったり、雨水による腐食でケーブルが断線し、燃料取り扱い機が止まったりと不具合が続出。ケーブルに欠陥品が多数含まれていることも判明し、取り出しは年明け以降に延期された。
装置は東芝と元子会社の米ウェスチングハウス・エレクトリックが開発。定例会合で更田豊志委員長は「手抜きにすら見える不具合だ」と厳しく指摘し、納入側を含めた原因究明を指示。その後の会見でも「廃炉の厳しい現場なのに、一般の原子力における調達のレベルにすら達していない」と苦言を呈した。