秋の交通安全期間中死者4人 埼玉県、全国ワースト6位

 秋の全国交通安全運動期間(9月21~30日)の埼玉県内の交通事故死者数は昨年の同期間と比べて2人増の4人で、全国ワースト6位だったことが埼玉県警交通総務課のまとめで1日、分かった。県警はこれまで多発する高齢者の自転車事故防止を積極的に呼びかけており、今期間中に死者が出なかったことを「重点目標の一つを達成できた」としている。

 期間中は県内各署を中心に県や市町村、関係機関と相互に連携。事故多発地域のパトロールや広報活動で県民に交通安全への参加意識を高め、交通事故防止の徹底を改めて呼びかけた。

 期間中の死亡事故は3件中2件が死亡ひき逃げ事故で、それぞれ1人が死亡。残り1件が圏央道でのトラック衝突事故で、2人が焼死した。

 人身事故件数は同127件減の559件で、負傷者も同187人減の692人。平成22年からの同期比では死者数にばらつきはあるものの、人身事故件数と負傷者数ともに減少の一途をたどっている。

 一方、高齢者の自転車死亡事故が多発することから期間中の9月29日に「交通安全高齢者自転車大会」を実施。県内各署管轄内から選抜された交通関係団体の関係者など、65~81歳の男女117人が加齢に伴う身体機能の変化が運転に及ぼす影響を学んだ。

 大会では、実技と学科試験を行い、ピンの間を縫って自転車を走行する「ジグザグ走行」で完走できたのはわずか1割。参加者からは「難しい」との声が漏れ聞こえた。参加者らはそれぞれの地元で地域住民に筋力の衰えによる自転車運転の難しさを地域のリーダーとして伝える役割を担う。

 同課は「重点目標を達成したが、重大事故が続いてしまった。今後は日没も早くなるので夜間の事故に注意してほしい」と話している。

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