皮膚がんの一種で治療が非常に難しい悪性黒色腫や肺がんなどを対象にした米国の治験で、進行がん患者への有効性を確認。また悪性黒色腫を対象に既存の抗がん剤と比較した治験では、抗がん剤を使った患者は15カ月後の生存率が20%に低下したのに対し、オプジーボの患者は70%の生存率を維持し、顕著な効果を示した。
オプジーボの特徴はメカニズムだけでなく、効果が長続きすることだ。従来の抗がん剤は最初は効いていても、使っている途中で効きにくくなり、転移や再発をしてしまうことが多い。これに対しオプジーボは、効く人には最初から効くことが多いほか、途中から効果が出たり、使用を止めても効果が続いたりするケースがある。
免疫チェックポイント阻害薬の臨床研究に長く携わる国立がん研究センター中央病院の北野滋久医師は「オプジーボを投与した進行悪性黒色腫患者の約3割は5年以上の長期間、生存している。これまでの常識では考えられないことだ。従来の抗がん剤では全身にがんが転移したり、再発したりした患者が治癒するのは極めて困難だが、治る人が出てくるかもしれないとの期待を抱かせる薬だ」と話す。