【樹木希林さん葬儀】是枝裕和監督「希林さんの存在は肉体を離れ、世界中に普遍化した」(2/4ページ) - 産経ニュース

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樹木希林さん葬儀

是枝裕和監督「希林さんの存在は肉体を離れ、世界中に普遍化した」

■フットワークの軽さと雑味が魅力だった

 流れて、消えて、後に残らないテレビやコマーシャルの潔さは、おそらく何ものにも拘泥しない-というあなたの粋な哲学と、とても馬が合ったのではないでしょうか。

 2005(平成17)年以降、後に残る映画に仕事の中心を移され、ちょい役で独特の印象を残すというスタンスから主役も含め、作品を背負うような役割を引き受けるようになったこと。そこにどのような心境の変化があったのかを、私は直接お聞きすることはできませんでしたが、私もあなたのその変化を追いかけるようにして、映画の仕事を依頼させていただきました。

 しかし、もしかすると、私との出会いと作品作りがあなたの足取りや振る舞いから、その魅力である軽やかさを奪ってしまったのではないかと危惧したときもありました。でもそれはどうやら杞憂(きゆう)だったようです。

 「テレビの連続ドラマはもう体力がもたない」と言いながら、それでもワイドショーや花火大会の中継などに請われれば出続けた理由を尋ねたとき、「自分が芸能人として今の時代にどれだけ意味や価値があるのか試しているのよ」とあなたは答えられた。

 そんなフットワークの軽さと雑味をあえて捨てようとしないあなたの姿勢は、テレビ出身の私にとってはもう一つの大きな魅力として映りました。