帰還困難区域で除染・解体作業始まる 福島・飯舘村の長泥地区

帰還困難区域で除染・解体作業始まる 福島・飯舘村の長泥地区
帰還困難区域で除染・解体作業始まる 福島・飯舘村の長泥地区
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 環境省は28日、東京電力福島第1原発事故の影響で福島県飯舘村の中で唯一の帰還困難区域になっていた長泥地区で、特定復興再生拠点区域整備に向けた除染と民家などの解体撤去作業を開始した。復興拠点整備に向けた作業が始まったのは県内で5町村目。平成35年春の住民帰還を目指す。

 帰還の道が閉ざされて7年半、水田だった場所は水入れもされず干上がり、畑と変わらない。ただ、あぜ道が田んぼだったことの唯一の名残だ。タテ2メートル、ヨコ3メートルほどの看板は、おそらく案内用の地図が描かれていたのだろう。色も文字も落ち真っ白だ。ただ「長泥地区」の文字だけが薄く残っている。

 同省は、拠点区域内の居住促進ゾーン約30ヘクタールの除染と約20棟の解体を皮切りに整備を行う。

 この日午前10時半ごろから開始された作業は、作業員4人が、地区の集会所近くの道路脇で草刈りを行った。事前調査で測定された同地区の空間線量は毎時1・8マイクロシーベル。「民家など建物の解体は10月下旬からになる」という。

 同地区の特定復興再生拠点は、帰還困難区域のおよそ2割となる約186ヘクタール。住民の居住や宿泊のエリアとなる「居住促進ゾーン」と、営農再開の場所となる「農の再生ゾーン」、桜並木など地域の文化を継承する「文化・交流ゾーン」を設ける。

 このうち農の再生ゾーンでは、村内の除染作業で発生した除去土壌で農地を造成し、廃棄物量縮減を図る実証事業を計画している。福島地方環境事務所の田中衛(まもる)さんは「除染も解体も再来年の春までには終え、飯舘の復興につなげたい」と語った。

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