墜落した群馬の防災ヘリ「はるな」、大型ヘリで10月中旬回収へ 陸路で前橋に移送

 搭乗員9人全員が死亡した群馬県の防災ヘリコプター「はるな」の墜落事故をめぐり、県は10月中旬をめどに大型ヘリを使って現場から機体を回収すると発表した。機体は陸路で群馬ヘリポート(前橋市)に運ばれた後、国土交通省運輸安全委員会や県警が調査し、事故原因の解明を進める方針。

 はるなは重さ約5.4トン、全長17.1メートル。墜落現場は中之条町の横手山付近の斜面で、数カ所に機体の残骸が散乱している状態という。

 県は回収作業を、昨年の長野県消防防災ヘリの墜落事故でも機体を引き上げた航空事業会社の朝日航洋(東京都)に委託。10月上旬から、現場付近の立ち木や下草を伐採したり、仮設ステージを設置するなどの地上作業を行う。準備が終わり次第、10月中旬頃をめどにシートとネットで梱包した機体を大型ヘリでつりあげ、渋峠付近の空き地に運ぶという。機体はその後、トラックで群馬ヘリポートへ運ばれ、県防災航空隊格納庫で保管される。委託金は約3500万円。

 現場は木が生い茂る山中の急斜面のため、県はこれまで回収作業に着手できていなかった。

 作業は天候によって大きく左右される可能性が高いが、遅くとも10月中に作業完了を目指すとしている。

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