日米首脳が交渉開始で合意した物品貿易協定(TAG)とは

 安倍晋三首相がトランプ米大統領と農産物などの関税引き下げに向け「物品貿易協定(TAG)」の交渉開始で合意した。日本は米国が検討する自動車輸入制限を当面回避できたが、米側が市場開放を求め圧力を強めるのは必至だ。今後の見通しなどをQ&A形式でまとめた。

 Q TAGとは

 A 「Trade Agreement on Goods」の略で、貿易の拡大などを目指し、輸入品にかかる関税を互いに引き下げ、または撤廃する協定だ。農産品や工業製品など幅広い品目が対象だ。

 Q 他の通商協定とどう違うのか

 A 自由貿易協定(FTA)は輸入品の関税引き下げ・撤廃に加え、サービス貿易も自由化する。サービス貿易とは例えばホテルで提供されるサービスだ。外資系ホテルが外資規制などで自由に営業できない場合、規制を緩和する。また、経済連携協定(EPA)は知的財産権保護や投資などの共通のルールづくりも含まれる。

 Q なぜ日米はTAGの交渉に入るのか

 A 米国は巨額の対日貿易赤字の削減を目的に、農産品の関税を引き下げるための2国間交渉を迫っていた。日本は多国間の枠組みである環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への復帰を促してきたが、米国は交渉に応じなければ、自動車に高関税を課す輸入制限の発動を示唆。日本は交渉の間は輸入制限を発動しない約束を取り付けた上で、2国間交渉に応じることにした。

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