さいたま市に賠償命令 偽造運転免許証見抜けず

 本人と確認せずに偽造した運転免許証で印鑑登録された上、無断で不動産を売却されたとして、さいたま市の女性が同市を相手取り、不動産所有権の抹消登記手続訴訟の弁護士費用と慰謝料約1314万円を求めた訴訟の判決が28日、さいたま地裁であった。斎藤清文裁判長は市の責任を認め、715万円の支払いを命じた。

 判決で斎藤裁判長は偽造した運転免許証をめぐる市の責任について「担当職員は職務上の注意義務を尽くしたとはいえない」と断じた。ただ「精神的苦痛が生じたとはいえない」として慰謝料の請求は棄却した。

 判決を受けて清水勇人さいたま市長は同日、「判決内容を精査し適切に対処する」とのコメントを出した。

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