日産自動車は26日、出荷前の車の排ガスや燃費の測定試験の結果を改竄(かいざん)するなどしていた検査不正について、国土交通省に調査報告書と再発防止策を提出した。国交省は完成検査や再発防止策の実施状況を継続的に調査する方針。
日産の西川広人社長は同省で取材に応じ、今回の検査不正について、「(原因は)現場のモラルと、管理側の体制や能力、仕組みにあり、(昨年9月発覚の完成検査不正と)同根だ」と説明。その上で、自身の進退について「できる限り将来に禍根のない体制を作っていくことが私の使命」と陣頭指揮に立つ意志を示した。日産は午後3時から会見を開き、調査内容や再発防止策を説明する。
西川氏は自動車局の奥田哲也局長に調査報告書を手渡す際、完成検査での無資格検査に触れ、「全社挙げて再発防止策に取り組む中、このような行為が行われていたことは大変遺憾であり、申し訳なく思っています」と謝罪。奥田氏は「完成検査の重要性を十分認識し、ルールに則って二度と不適切な事案を発生させないようお願いする」とくぎを刺した。
日産は7月、国内の完成車全6工場のうち5工場で生産した19車種1171台で、排ガスや燃費の測定試験結果の改竄があったと公表。国交省は原因調査と再発防止策を1カ月をめどに報告するよう求めていた。