浪速風

貴乃花親方の引退会見 「やおら」「棹さして」と思ったが…

夏目漱石の「草枕」の冒頭に「智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される…」とある。「棹さす」は「時流に乗る」という意味だが、文化庁の国語世論調査で3分の2近くが「流れに逆らう」と誤用していた。昨年度の調査では、「やおら」を本来の「ゆっくりと」ではなく、「急に、いきなり」が少なくなかった。

▶貴乃花親方が日本相撲協会に引退届を提出した。昨日の記者会見を、「やおら」「(協会の主流に)棹さして」と感じた人が多かったのではないか。元横綱日馬富士による弟子への傷害事件に関して、内閣府に出した告発状を事実無根と認めるよう要求され、「苦渋の決断」という。

▶協会は圧力を否定しているし、必要な退職届ではないので引退届を受理していないというから、まだ軍配をあげることはできない。一本気な貴乃花親方としては「なし崩しにはできない」と思ったのだろう。おっと、「なし崩し」も「なかったことにする」ではなかった。