ムスリムの子供増加 学校で理解と折り合いを

 服装は、主に女児に関わる。大人の女性はヒジャブというスカーフで頭髪を覆うなどするが、学校でのヒジャブは「小さいうちはかぶらせない」という方針の母親もいて、まちまちだ。指定の制服や体操服の場合は、スパッツを履く、長袖長ズボンに代替するなどして工夫しているという。

 礼拝は一日5回。学校にいる正午過ぎの礼拝は、校長室などで行う。また、断食は体に負担がかかるため、低学年ではさせない家庭も。断食する子は給食時、別部屋で過ごすことが多いという。

 音楽や図工には参加させない家庭もある。音楽は「楽器は悪魔の呼びかけ」という記述がハディース(預言者ムハンマドの言行録)にあるため、図工は絵や粘土の制作などが「偶像崇拝の禁止」にあたるとの考えからだ。授業中は図書室などで過ごすことが多いという。

 ◆無理のない範囲で

 いずれのケースも、入学前に家庭と学校が相談し、無理のない範囲で工夫されたものだ。母親たちは「学校には予想以上に柔軟に対応してもらった。理解していただけて、感謝している」と口をそろえた。

 マスジド大塚のある豊島区の教育委員会指導課の担当者は「近年は対応に慣れた学校もあり、初めてムスリムの子供を受け入れる学校と情報を共有するなど、現場でも知見が深まってきている。子供たちの、宗教を含めた多様な家庭環境や個性を理解し、尊重することが大切」と話す。

 店田教授も両立のコツについて「戒律をどう守るかは、親の出身国や考え方によって幅も大きい。マニュアル化できるものではなく、双方が相談して、できる範囲で折り合うことだ」と話している。

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