搭乗員9人が全員死亡した群馬県の防災ヘリコプター墜落事故で、県は25日、昨年4月から事故直前まで、ヘリが国に提出した飛行計画と異なるフライトを293回行っていたと明らかにした。県が業務委託していた東邦航空(東京都)社員らへの聴取などから判明。県は同日、国土交通省に報告した。
県によると、不適切な飛行計画の提出は、同期間のフライトの約76%で行われていた。計画の作成、提出やヘリの到着通知などの運航管理業務は主に東邦航空社員3人が行っていた。
このうち60代の男性社員は県防災航空隊が発足した平成9年から、「(ヘリが)途中経路上の離着陸場所でエンジンを停止しない場合は、当該場所を飛行計画に記入する必要はない」と誤認し続けていた。
社員は事故当日の8月10日、ヘリが実際には群馬ヘリポート(前橋市)に到着していないのに、独断で国交省に対して到着通知を行っていた。
県は、不適切な運航体制が常態化していたと認め、今後の防災航空体制のあり方を検討する委員会を設置。安全管理について全面的に検証する方針だ。