【TOKYO まち・ひと 物語】大型レーダーで地球環境探る 第60次南極観測隊 佐藤薫・東大大学院教授 (1/2ページ) - 産経ニュース

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TOKYO まち・ひと 物語

大型レーダーで地球環境探る 第60次南極観測隊 佐藤薫・東大大学院教授 

第60次南極観測隊員の佐藤薫さん。大型大気レーダーのプロジェクトリーダーだ=東京都文京区の東京大学(芹沢伸生撮影)
第60次南極観測隊員の佐藤薫さん。大型大気レーダーのプロジェクトリーダーだ=東京都文京区の東京大学(芹沢伸生撮影)

 東大大学院理学系研究科教授の佐藤薫さん(57)は11月、第60次南極観測隊の夏隊員として昭和基地に向け旅立つ。専門は気象学。南極に初めて設置された大型大気レーダー「PANSY(パンジー)」のプロジェクトリーダーで、現地では世界中で一斉に行う国際共同キャンペーン観測の研究代表者を務める。

 観測隊は2回目。前回は第44次の越冬隊員として、平成14年秋から16年春まで約1年4カ月赴き、主にPANSYの設置準備を行った。「『南極に大型大気レーダーを』と思い切った提案をしたら通った。研究者人生の半分以上をささげたプロジェクト」だ。

 1045本のアンテナで構成するレーダーの電波は、空気の「揺らぎ」にぶつかり反射する。その揺らぎを観測、地表から高度500キロメートルまでの風の強さや向きなどを解析し、地球環境の変化の予測精度を向上させるのが狙いだ。

 ブリザードが吹き荒れる昭和基地に、1千本以上のアンテナを設置するのは至難の業。環境への配慮も欠かせない。現地をつぶさに見て設置工事の効率、耐久性、性能をギリギリまで突き詰め「毎秒60メートルの風速に耐える重さ18キログラム以下のアンテナが必要」という結論を導き出した。

 建設開始は22年末で27年3月に本格稼働した。現物を見るのは今回が初めて。「アンテナをバックに記念写真を撮りたい」と、PANSYとの対面を楽しみにしている。