いじめの認知「0件」の小中学校、定義の理解不十分な学校も 長野県教委の調査

 長野県教育委員会が実施した小中学校への訪問調査で、いじめの認知件数を「0件」としていた学校の中には、いじめの定義をきちんと理解していなかったり、軽微なケースの計上を見送ったりしていたことが25日、分かった。同日開かれたいじめ問題に関する同委の連絡協議会で明らかになった。同委は今後、認知件数を正確に把握するため、教員向けの研修資料を作成し、小中学校のほかに高校にも配布する方針。

 学校訪問は7~8月にかけて実施され、同委が平成29年度に取りまとめた生徒指導にかかわる調査結果を踏まえ、認知件数を「0件」と回答した7校と、数百件に達した5校が対象となった。

 その結果、「0件」の学校では、いじめ防止対策推進法に明記された「(子供が)心身の苦痛を感じているもの」との定義を十分に理解せず、継続的ないじめなどが確認できなかったなどとして、計上していない事例があった。

 児童・生徒に対するアンケートには、いじめと認識していた回答が多数あったが、すべてを計上すると膨大な件数になるため、反映していない事例もあった。軽微と重大なケースを同等に扱うことへの抵抗感があったとみられる。

 同委は、児童・生徒間のトラブルは、教員同士で情報共有する仕組みを構築していると説明。ただ、重大なケースに限られ、軽微なものは担任が処理したり、抱え込んでいたりするという。

 また一部の学校では今年度から、29年度調査を受け、改善策に取り組んでいた。具体的には、児童・生徒のアンケートについて、管理職がすべてを認識することにし、最終的には校長に報告するなどしていた。

 連絡協議会のある出席者は「『いじめ』を認知することは『子供からのSOS』の認知である。学校側は、しっかり対応するべきだ」と指摘した。

会員限定記事会員サービス詳細