話の肖像画

数学者・大道芸人 ピーター・フランクル(1)日本が国際数学オリンピックに

当時、文部省(現・文部科学省)はコンテストのようなものへの参加に積極的でないように見えました。日本では競争のマイナス面を見がちです。しかし生徒は志願して参加します。スポーツと同様、自然科学の分野もオリンピックの開催は、子供に何かを目指すという選択肢を提供する良い機会です。

〈日本は国際数オリ参加を皮切りに、情報や化学、生物、物理、地理、地学の科学オリンピックにも参加するようになった〉

日本は明治期から東京帝大、大蔵省を目指すのが最高だと考えられてきました。今は理系へ傾いています。国際数オリ派遣前は、数学が得意な子は東大理科三類へ進み、医師になりました。

国際数オリへ派遣され、数学の才能が認められることで、多くの選手が医学部ではなく数学科へ進むようになりました。小学生を対象とした算オリ(4年導入)も参加者が増え、裾野が広がっています。

僕も両親と同じ医師になることが責務だと思っていました。でも、高校時代に国際数オリに備えて独りで問題を解いたり、友達から数学書を借りて読んだりするうちに、数学に没頭するのが最もうれしいことだと気づきました。そして国際数オリで金メダルを取ったのです。

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