話の肖像画

数学者・大道芸人 ピーター・フランクル(1)日本が国際数学オリンピックに

数学者・大道芸人 ピーター・フランクル氏(斎藤良雄撮影)
数学者・大道芸人 ピーター・フランクル氏(斎藤良雄撮影)

「話の肖像画」特集へ

〈毎年、算数の才覚に優れた小学生らを発掘する日本のコンテスト「算数オリンピック(算オリ)」の表彰式で講演する。このとき披露する棍棒(こんぼう)が宙を舞うジャグリング(物を操る大道芸)の技に子供たちは目を見張る〉

僕の祖国、ハンガリーが世界に誇る数少ないものの一つは、世界で最も長く、毎年行われる、全国の数学コンテストが存在していること。無料で全高校で行われ、100年以上の歴史があります。

世界には、高校生が参加する「国際数学オリンピック(国際数オリ)」があります。昭和57年の初来日後、研究で何回か来るうちに、日本には数学に関するコンテストがなく、国際数オリにも参加していないことに気づきました。数学者の先輩たちと協力して指導を始め、平成2年、6年越しで日本チームの派遣を実現させました。

〈翌3年、国内大会の「第1回日本数学オリンピック」を開始し、国内大会で選考した選手を国際数学オリンピックへ派遣するシステムが整った〉

僕はユダヤ人で、祖父母はナチス・ドイツの強制収容所で殺されました。そんな僕が初めて安心して生活できる国が日本でした。お礼に何か貢献したかったのです。