浪速風

「1強」だから、安倍さん理想を追いなさい

幕末の諸藩に「周旋方」という役職があった。「外部勢力との間で奔走して取り持ちをし、解決の糸口を見つける」。伊藤博文は吉田松陰の松下村塾に学んだ。松陰は政治家の資質を見抜いて「俊輔(博文の当時の名)、周旋の才あり」と言ったが、本人はあまりうれしくなかったらしい。

▶激動の時代にもっと大きな、国造りの理念、理想を抱いていたからだ。維新の後、初代内閣総理大臣に就任し、大日本帝国憲法制定の中心になった。同じ長州出身の安倍晋三首相が自民党総裁に連続3選された。任期中に首相として歴代最長になる。もちろん郷土の偉人である伊藤博文も抜く。

▶党員票が伸びなかった。実績よりも、「正直、公正、謙虚」が争点にされた。「1強」も批判の対象になった。風当たりはさらに強まるだろうが、集大成として掲げてきた理念、理想を実現する時だ。いうまでもなく憲法改正である。政治家に求められるのは「周旋の才」だけではない。