「私たちの述べたことを、素直に受け取ってもらえた。いい判決」。国とメーカーの責任と、一人親方に対する国の責任を認めた大阪高裁判決を受け、大阪市内で記者会見した原告らは安堵の表情を見せた。
一人親方だった父親を亡くし、遺族として原告となった吉岡千絵さん(41)は「一生懸命働いてきた父親が認められ、ほっとした」と話した。
「手放しで喜べない」と受け止めたのは、元大工の西岡浅夫さん(75)。自らを「明日の命も分からない状態」とし、「苦しんでいる人のため、裁判をやめて補償基金制度を設けてほしい」と訴えた。
京都の元労働者らが訴えを起こした建設アスベスト京都訴訟の、8月の控訴審判決でも原告側の全面的勝訴だった。村松昭夫弁護団長は「2つの判決は、国やメーカーに『早期の解決が重要』というメッセージを発した」と語った。