秋の味覚「栗」の産地、愛媛県伊予市中山町で特産の「中山栗」の出荷がピークを迎えつつある。豪雨や夏場の高温、乾燥のためサイズは小ぶりだが、甘みが凝縮され、おいしく仕上がっているという。出荷は10月下旬頃まで続く。
中山間地の栗畑で毎年約1・5~3トンを出荷する保里文雄さん(69)は、「筑波」などの品種を収穫後、庭先で選果作業に追われていた。「極端な天気で栽培しにくい年だが、おいしく仕上がっている」と話した。中山栗は大洲藩の第2代藩主加藤泰興が将軍家光に献上し、称賛されたとの言い伝えが残っている。
JAえひめ中央によると、中山栗の生産量は約140トン(昨年212トン)で、昨年の6~7割に落ち込む見込みという。春先から温度が高く、7~8月は高温・乾燥が続き、着毬率が低かった。栗の生産量が全国第3位のシェアを占める愛媛県だが、JA全農えひめは、県内生産量を前年比7~8割の約700トン台前半(推定)と下方修正している。
中山町では、23日午前10時から「栗の里公園」野外音楽広場で、恒例の「なかやま栗まつり」を開く。栗の直売や栗ひろいなどのイベントが行われる。問い合わせは伊予市経済雇用戦略課(電話089・982・1120)。