シャープは20日、独自の空気清浄技術「プラズマクラスター」が、イヌやネコの皮膚病の原因となる細菌やカビ菌の増殖を99%以上抑制する効果があることを実証したと発表した。健康管理ができるネコ用トイレを販売するなどペット事業に注力しており、今後は効果検証を進め、製品開発に役立てていく考えだ。
獣医皮膚科専門医である岩崎利郎東京農工大名誉教授が監修。実験では、イヌの膿皮症原因菌、イヌやネコの外耳炎を引き起こす菌など5種類に対するプラズマクラスターの抑制効果を確かめた。
シャーレ上の寒天培地に付けた計5種類の菌について、直径22センチ、高さ50センチの円筒状の実験容器内で発生させたプラズマクラスターを高濃度で24時間照射。照射しなかったシャーレの状態と比較した。カビ菌の場合は3日間照射するケースも確認した。
照射したケースではいずれも増殖を99%以上抑えていた。イヌの膿皮症原因菌の中でも、抗生物質が効かない多剤耐性菌にも抑制効果が認められた。
実験レベルでの効果確認だが、岩崎氏は「症状を少しでも軽減させることは考えられる」と話した。シャープの担当者は「自分たちの技術がどう世の中にどう貢献できるか検証を重ねていく」と強調した。