23日は秋分の日。次の3連休は菩提寺(ぼだいじ)でご先祖さまにお参りする人も多いだろう。ただ、檀家(だんか)の「お寺離れ」は近年、ますます進んでいる。この現状をどう考えるか、率直な意見を交わすシンポジウムが東京都内で開かれ、宗派を超えた住職たちが、お寺の現場で起きていることを報告した。(玉崎栄次)
苦しいお寺経営
シンポジウムは「お寺の今後を考えるサミット」と題して行われた。文化庁の宗教年鑑(平成29年)によると、全国にある仏教系寺院は約7万7千に上り、約5万5千店とされるコンビニエンスストアよりも多い。ただし、2万以上の寺院が、後継者不足などで住職がいない「無住寺院」になっているといわれ、維持存続には大きな課題を抱えている。
経営面で苦境に直面しているお寺も少なくない。国内最大級の仏教教団である浄土真宗本願寺派が同派のお寺を対象に行った調査(26年実施)によると、寺院収入が年300万円未満のお寺は45%に上った。年50万円未満も10%あった。
寄付の出費など檀家であることが負担となり、菩提寺を離れ、先祖代々の墓を更地に戻す「墓じまい」も増えている。