特産のタチアカネそばを全国へ キッチンカーを導入 長野県青木村 

どこにでも移動

 キッチンカーを導入したのは、県内外のイベントや観光キャンペーンなどの機会を積極的に活用し、どこにでも出向いて、まだ知名度の低いタチアカネをアピールする狙いがある。2トントラックを改造して調理機能を装備しており、地方創生推進交付金を使い、1250万円で購入した。

 村は、キッチンカーをそばの食文化の普及やそばを打てる人の育成などにも活用するほか、災害時の移動炊き出し車としての役割にも期待する。

 担当者は「村の名前を知ってもらえるきっかけにもしたい。タチアカネがきっと、都会からの移住者を増やしてくれる」と話す。

県オリジナル品種

 タチアカネは、県野菜花き試験場(塩尻市)が開発し、平成21年にそばの新品種として登録された。県内で栽培されているそば品種は、「信濃1号」が主流だが、信濃よりは倒伏しにくく、栽培しやすい上、そばにしたときの味覚や香りに対する評価が高い。

 ただ、信濃と交雑しやすいといい、純粋種を保つのが難しいとされ、村が栽培に乗り出すまで、県内はもとより、全国でも特産としてアピールする自治体はなかった。

 村がタチアカネを栽培するため、県の試験地として白羽の矢が立ったのは、村境を山で囲まれているため、栽培する品種を統一しやすい地の利があったためだ。村は21年から試験栽培に乗り出し、210キロの収量を得た。3年後の24年時になると40倍超の8640キロに向上させている。

 24年には本格栽培に着手し、29年には、50ヘクタールの畑で栽培されるようになり、2万4592キロの収量を達成。今では村内にあるそば店5店舗のすべてで、タチアカネのそばを食べられる。