静岡でリニア準備工事始まる トンネル建設の事務所設営

 リニア中央新幹線建設をめぐり、JR東海は18日、静岡市葵区の南アルプストンネル建設に向けた準備工事にあたる作業員宿舎の建設に着手した。

 同日午前、市街地から車で約4時間かかる同区田代の椹(さわら)島地区に、クレーン付きトラック3台で資材を搬入。同日午後から作業員16人でプレハブの作業事務所の設営を始め、事務所前に「中央新幹線南アルプストンネル新設(静岡工区)」と書かれた看板を設置した。

 同社では、トンネル本体の工事に先駆けて、2年後までに椹島地区など3カ所に各250人収容の作業員用宿舎を建設する。工事は平日午前8時~午後5時の間に行われる。

 同社の田中雅裕・中央新幹線静岡工事事務所長は「安全と環境への配慮に十分気を付けながら、着実に工事を進めていきたい」とのコメントを出した。

 川勝平太知事はこの日、記者団の取材に「私たちが問題にしているのは、南アルプスにトンネルを掘ると大井川の水が減少すること。それはとても心配している。工事は誠意ある形にしてもらわないと周りの非難を浴びる」と述べた。

 リニア新幹線は9年後の開業を目指しているが、県内工区では大井川の水量減少問題などで地元との調整が遅れ、本体工事に着手できない状況が続いている。

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