中国との演習で兵力を誇示
ロシアは9月中旬、極東とシベリア地域で軍事演習を敢行した。「ボストーク(東方)2018」と銘打った同演習は、1981年のワルシャワ条約機構「ザーパド(西方)」以来最大規模のものになった。兵士約30万人、軍用機1000機以上が参加した。中国人民解放軍の兵士約3200人、軍用機30機が初参加したことが注目に値する。
同演習が達成しようとした目的の第1は、ロシア軍事力の誇示だった。ロシアの国力は、米国、中国、欧州連合(EU)主要国、日本に比べて著しく劣る。人口、国内総生産(GDP)、科学技術、ソフトパワーなどの指標で、そうである。唯一、米国に匹敵するのは、核兵器を含む軍事力。だとすれば、ロシアが己の兵力を顕示するのも当然至極といえよう。実際、ロシアはメーデー、対独戦勝記念日など、あらゆる機会をとらえて軍事パレードを敢行する。