上場企業の「従業員のやる気」指標を開発 新たな投資判断を提供

 企業組織コンサルティングを手がけるリンクアンドモチベーションは18日、企業価値を測るものさしとして従業員のやる気を基にした投資格付けを開示すると発表した。企業の持続可能性に注目する投資家が増える中、組織状態に着目した情報提供で新たな投資基準の確立を目指す。

 公表する指標「エンゲージメント・レーティング」は顧客企業と従業員の相互理解度を測るもので、企業の会社基盤や企業風土、待遇といった16要素について従業員に対する調査を実施。結果を数値化した上で「AAA」から「DD」までの11段階で格付けする。

 格付けは今後、顧客企業が決算発表などで自主的に開示し、平成37年までに300社の開示を目指す。企業風土の良さをアピールして人材獲得や投資拡大につなげるほか、投資家は中長期的な企業価値を判断する目安になるという。

 慶応大学大学院が上場企業66社を対象とした研究によると、エンゲージメントの数値が1ポイント上昇するごとに営業利益率が0・35%、労働生産性が0・035ポイント上昇するなどの相関関係があるとしている。

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