「神戸空港は24時間空港で余裕がある。いずれ規制緩和は必要になる」。台風21号が上陸する約1カ月前の8月1日、8府県と政令市で構成する関西広域連合と関西経済連合会の意見交換会の後、広域連合の井戸敏三連合長(兵庫県知事)は報道陣にそう語っていた。
関西国際空港と大阪(伊丹)空港、神戸空港の3空港のあり方をめぐり、井戸氏は神戸空港の規制緩和に意欲的な姿勢を示す。
現在、3空港は、地元自治体や財界でつくる関西3空港懇談会が平成17年に合意した基本方針に沿って運営されている。「関空は国際拠点空港、伊丹は国内線の基幹空港、神戸は地方空港」と役割分担を明確にした内容だ。
これにより、運用時間は神戸空港は「午前7時~午後10時」、1日発着枠は「60便」という規制を設け、伊丹は「午前7時~午後9時、1日370便」に制限。両空港とも国際定期便は就航していない。伊丹周辺の騒音問題や、かつて利用者が伸び悩んでいた関空の経営を安定させるための配慮が背景にある。