自民総裁選討論会詳報(1)

安倍首相「新しい国造りに挑戦したい」 石破氏「地方の雇用と所得に全力を」

 自民党総裁選に立候補した安倍晋三首相(総裁)と石破茂元幹事長は14日、日本記者クラブ主催の公開討論会に臨んだ。詳報は以下の通り。

 《冒頭、司会者が両氏に抱負を聞いた

 首相「1点に絞るということですが、現職ですので少し幅広いテーマになるかもしれません。この5年9カ月、3本の政策によって誰にも働く場所がある真っ当な経済を取り戻し、地球儀を俯瞰(ふかん)する外交によって日本は国際社会において大きな存在感を取り戻すことができました。この基盤の上に次の3年間、日本の新しい国造りに挑戦していきたい。そう決意しています」

 「国難とも呼ぶべき少子高齢化に真正面から立ち向かい、教育の無償化を実現します。そして、未来を担う子供たちの世代、子育て世代に思い切って投資してまいります。同時に、経験豊富な高齢者の皆さんがいくつになっても生きがいを持って活躍できる生涯現役社会を実現してまいります。人生100年時代を見据え、全ての世代の皆さんが安心できる全世代型の社会保障制度へと大きく改革を行ってまいります」

 「地方においては農業、観光、中小企業で新たな活力が生まれています。さらに弾みをつけていく。また、近年の気象の変化に対応し、防災、減災、国土強靱(きょうじん)化のための緊急対策を3年集中で講じ、強靭なふるさとを構築していく。美しく、伝統あるふるさとを次の世代に引き渡してまいります」

 「外交においては、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)11、日・EU(欧州連合)経済連携協定(EPA)、新しい時代の世界のルールを日本が主導して作り上げていく。北朝鮮問題など戦後日本外交の総決算を行い、アジア太平洋からインドへと広がる広大な地域に、日本がリードし、世界と協力して、平和と繁栄の礎を築いてまいります。戦後70年、一度も行えなかった憲法改正に挑戦をし、国民の皆さんとともに日本の新しい時代を切り拓(ひら)いていく決意であります」

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