主張

北海道の電力危機 安定電源の確保に全力を

 計画停電を実施すれば、商店の営業は難しくなる。避難所で過ごす被災者は、さらに不便な生活を強いられる。地震の復旧作業にも影響を与えかねない。積極的な節電を通じて計画停電は避けるように最善の道を探ってほしい。

 ただ、現在稼働中の発電所は老朽設備も多く、故障が起きやすい状況にある。強い余震が起きれば新たに発電所が運転停止に陥る恐れもある。大規模停電を避けるための計画停電については、その準備も怠ってはなるまい。

 東日本大震災直後に東京電力が実施した計画停電では、同社の説明が二転三転し、混乱を広げる要因となった。計画停電の際には混乱や不信を招かないように丁寧な説明を尽くしてほしい。

 冬の到来が早い北海道では最低気温が氷点下となる地域が出始めた。厳冬期に電力が不足すれば、住民の生命が脅かされる深刻な事態となる。政府には安全審査が長引く泊原子力発電所の再稼働を含めて安定電源を早急に確保し、国民の命を守る責務がある。

会員限定記事会員サービス詳細