主張

北海道の電力危機 安定電源の確保に全力を

 北海道全域の大停電はほぼ解消したが、被災した北海道電力の苫東厚真火力発電所の全面復旧は11月以降にずれ込む見通しだ。

 北海道の電力需給は逼迫(ひっぱく)している。現在の電力危機は、しばらく続くとみなければならない。

 政府と北電は、地域と時間を区切って電力供給を止めるなどの計画停電も検討している。

 再びの突発的な大規模停電を避けるためだが、計画停電は生活や産業への影響が大きい。道民の賢い節電で回避したい。

 安定電源の確保も不可欠だ。まずは被災した火力発電所の復旧を急ぎ、停止している揚水発電所の再稼働など既存電源の活用に全力を挙げなくてはならない。電力業界による支援も欠かせない。

 北電は被災を免れた火力や水力発電所を駆使している。民間企業の余剰電力を買い取ったり、本州からの電力融通を受けたりして供給力は350万キロワット程度を確保したという。

 だが、地震前の需要のピークにはまだ30万キロワットほど足りない。このため、政府と北電は家庭や企業に2割の節電を要請しており、道内の工場では夜間の操業などで節電を進めつつある。家庭でも、電力消費が大きい照明器具の節電などに取り組むべきだ。

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