質問は、「ホアンサ(パラセルのベトナム名、中国語・西沙)諸島とチュオンサ(同じく、スプラトリー、南沙)諸島はどの国に属すか」として、答えはベトナム、中国、フィリピン、日本の4択だった。
中国語のネット上では、ベトナム語が分からないユーザー向けに、ベトナムが描かれた場所を選択すればドラマを見られるとの書き込みがあり、多くのファンが、自分が何に回答しているのかも分からず、サイトを利用していた。
中国語の英BBC放送(電子版、8月25日付)が伝えたその質問の項目には、南シナ海の他に、ベトナムの首都と国家に関する選択問題もあった。中国からアクセスしたファンは、ネット上の「指南書」を見て知らない間に、南シナ海の領有権がベトナムに所属するとの踏み絵を踏まされ、中国でもまだ見られなかったドラマのシリーズを楽しんだようだ。
ロイターによると、ドラマの配信元は8月20日、オンラインの動画配信業者に著作権の侵害を行わないように求め、違法な海賊版ドラマを削除するよう促した。その後、「bomtan.org」からはドラマ『延禧攻略』は姿を消したが、中国からサイトに入ろうとするユーザー向けの南シナ海に関する質問はしばらく残されたという。
ネット上では、中国のドラマファンが「ベトナムに中国ドラマが盗まれたばかりか、中国の領有権まで盗られた」といった書き込みがみられたという。ドラマを餌に、中国が実効支配するパラセル諸島の領有権がベトナムに帰属すると回答させられていた、中国のドラマファンの「激高」ぶりをロイターは伝えた。