関東自動車など3社、高齢者にバス乗り放題定期 運転免許返納増加見越し 栃木

 関東自動車(宇都宮市)と東野交通(同)、ジェイアールバス関東(東京都渋谷区)の3社が、70歳以上の高齢者を対象に、県内の路線バス全線を定額で乗車できる定期券「おでさぽ70」を発売する。高齢ドライバーによる運転免許証の自主返納が増えることを見越し、交通インフラの受け皿として環境整備を進める。発売は、関東自動車と東野交通が合併予定の10月1日から。(楠城泰介)

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 定期券は、購入時点で70歳以上が対象で、適用区間は、高速バスや市町コミュニティーバスを除く県内の関東自動車、東野交通、ジェイアールバス関東の一般路線バス全線。1カ月乗り放題で6千円(1日当たり200円)、3カ月で1万5千円(同167円)の2種類を発売する。

 近年、高齢ドライバーによる事故が多発し、昨年3月施行の改正道路交通法では75歳以上に対し、免許更新時の認知機能検査を強化している。

 自主返納が増えることも予想されることから、3社は「高齢者が日常生活で自家用車に頼らず自由に移動できる環境整備が急務だ。高齢者が利用しやすい環境づくりを目指したい」と高齢者向けの定期券発売を決めた。

 また、自家用車の利用をやめた高齢者の外出支援策としても期待される。日常的な利用だけでなく、宇都宮からの路線バスが運行している日光や益子へのバス旅行も可能。「路線バスが軸となり、シニア層のお出かけを強力にサポートできる。行動的なシニアライフの一端を担うことで健康増進にも寄与したい」(3社)としている。

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