経済インサイド

東電の浮沈握る「柏崎刈羽原発」再稼働 地元・新潟県民の不信感は解消できるのか

 東電にとって新潟県は柏崎刈羽原発があるだけでなく、信濃川水系の9カ所の水力発電所は自社の全水力発電量の約15%を占めるなど、発電事業を営む上ではとりわけ重要な地域だ。

 歴史も長く、前身企業を含めれば新潟県とは90年以上の関わりがある。平成27年4月には新潟市内に「新潟本社」を設立した。しかし、新潟県は東京電力の供給区域ではなく、あくまでも東北電力のエリアだ。

柏崎市長からの「宿題」

 福島第1原発事故に伴う賠償や廃炉などで巨額の資金が必要な東電にとって、柏崎刈羽6、7号機の再稼働は生命線だが、小早川氏は柏崎市の桜井雅浩市長からある「宿題」を出されている。柏崎刈羽1~5号機の廃炉計画の策定だ。

 28年に初当選した桜井氏は昨年6月、6、7号機の再稼働を容認する条件の一つとして、2年以内に1~5号機の廃炉計画を提出するよう東電に要請した。

 「市長からかねがね問いかけのあった1~5号機の廃炉計画の策定に関しては社内で検討しているところだ」。小早川氏は花角氏との初会談を終えるとその足で柏崎市役所を訪れ、桜井氏にこう説明。それまで小早川氏は「電源構成」という言葉を使っていたが、この日は「1~5号機の廃炉計画の策定」と直接的な表現を用いて踏み込んだ。

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