脳を知る

睡眠と認知症 質のよい睡眠のための8カ条

よい睡眠は認知症予防にも
よい睡眠は認知症予防にも

 「最近、昼間でも寝てばかりいるんです」。物忘れ外来で患者の家族から、こういったことをいわれます。認知症になると、日中でも、ぼーっとしていたり、うとうと寝てしまったりする時間が増えてきます。夜も、よく寝る方もいれば、逆に活動的になって家族を困らせてしまう方もいます。医療や介護の現場では「昼夜逆転」といわれます。

 アルツハイマー型認知症なら、時間や場所がわかりにくくなり、夜でも昼だと思って活動したり、家族がいないと不安で探し回ったりします。レビー小体型認知症なら、幻視が夜に生じやすいため、そのことによる混乱や不安から眠れない場合があります。このように夜に十分に眠れないことで、日中さらに眠くなるという悪循環に陥ることがあります。家族は、これらのことが認知症の症状から来るということを理解し、安心できるような声かけや、寄り添った介護や環境を整えてあげることが大切です。

 しかし、家族も何日も夜寝ないで介護することはできません。家族が倒れると、家での介護が崩壊してしまいますので、早めに医療機関や介護スタッフに相談してください。介護保険を利用して昼間は患者にデイサービスに行ってもらって活動性を上げたり、医療では薬の調整を行ったりします。なかには脳が混乱を起こす「せん妄」という一種の意識障害が生じていることもあり、この場合は家族が何を言っても聞く耳を持たず、よけいに混乱してしまうので、その人に適した薬が必要になることもあります。

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