貴重な蓄音機やオルゴールなどを展示したミュージアムが、取手市の家具店内にオープンした。一部の展示物は見るだけでなく、実際に操作して音楽を楽しむことができる。
ミュージアムがある家具店は、同市藤代の「secretGATE&CAFE(シークレットゲートアンドカフェ)」。44平方メートルのスペースに蓄音機18台をはじめ、オルゴール6台やラジオ30台のほか、スピーカー類やシリンダー(円筒)レコードなどを展示している。
このうち蓄音機では、家具職人の名前が付けられたエジソンの「チッペンデール」が貴重だ。国内では10台ほどしかないという。また、日本で初めて作ったといわれる「ニッポノフォン」も珍しい。ラジオの操作体験はできないが、さまざまな装飾が楽しめる。
ミュージアムに並ぶ展示物は、かつて都内の企業が牛久市内に設けた「古典音響機器ギャラリー」にあった。しかし、6月末で閉館することになり、家具店を経営するブームスがギャラリーの所蔵品を借り受けることにした。
ミュージアムがオープンした8月5日から、まもなく1カ月。孫を連れた高齢者や愛好家らが足を運び、早くも反響があるという。今後は展示物の入れ替えやイベントの企画も考えており、ブームス広報担当の中山典子さん(30)は「こういう技術が100年以上前にあったことを知ってもらえたら」と話す。
入場無料。開館は水、木曜を除く午前11時~午後7時。展示物の操作体験は3回目まで無料だが、4回目以降は維持費として100円。問い合わせは、シークレットゲートアンドカフェ(電)0297・82・4190。(海老原由紀)